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https://w.atwiki.jp/blueofdeath/pages/17.html
プレイヤー名 合計使用経験点 残り経験点 合計取得経験点 保有キャラクター数 キャラクター名 キャラ使用経験点 Lv メイン サポート キャラクター名 キャラ使用経験点 Lv メイン サポート 初人 469点 26点 495点 4人 シャイン 172+2点 Lv5 シーフ ダンサー ウェイン 100+2点 Lv5 アコライト セージ リュイン 100+1点 Lv5 アコライト サモナー スバル 80+2点 Lv4 ウォーリア モンク 木立ねこ 530点 35点 565点 3人 トリス=デイル 144点 Lv5 ウォーリア グラディエーター ライラ=ノーザンライト 103点 Lv5 シーフ レンジャー シエラ=セプター 73点 Lv4 メイジ サモナー アルフヘイム=G=ヒュドリウス 240点 Lv6 アコライト セージ リックラック 379点 109点 488点 3人 J・ニールセン 144点 Lv5 シーフ バード ガーシュ・ウェルム 133点 LV5 メイジ セージ ゴド・ジオニクス 102点 LV4 ウォーリア ヴァイキング 初屋 410点 7点 417点 3人 イスズ 173点 Lv6 シーフ ウォーリア クーヤ 126点 Lv5 ウォーリア グラディエーター ウロック 111点 Lv5 メイジ セージ ガン 406点 122点 496点 4人 ハーディア 132点 Lv5 アコライト アルケミスト サヴェルト=ハーン 120点 Lv5 シーフ ダンサー アーヤ=シャマル 92点 Lv4 ウォーリア ダンサー ツバサ=ホシミ 30点 Lv3 メイジ サモナー 斉藤だぐ 331点 81点 412点 2人 イルレーン・リージェス 228点 Lv6 ウォーリア レンジャー ジーシェ・ウェルム 103点 Lv5 メイジ サモナー みょん! 315点 70点 385点 2人 カズハ 173点 Lv6 メイジ セージ コハク 142点 Lv5 ウォーリア サムライ むー 100点 60点 160点 1人 パージ=マーカサイト 100点 Lv5 アコライト メイジ 樹空渡(゚д゚) 416点 22点 438点 4人 エウレ・ローレライ 121点 Lv5 アコライト バード フレイア・サラマデュク 81点 Lv4 メイジ サモナー ミンナー・W・コッチソン 132点 Lv5 ウォーリア ダンサー ジャコウイン・フタバ 82点 Lv4 シーフ ニンジャ 鴨南蛮 103点 13点 116点 2人 ヒシ・サンライズ 71点 Lv4 ウォーリア グラディエーター ヴェガ・ノーザンライト 32点 Lv3 メイジ セージ おくでら 95点 22点 117点 2人 ユージィ 62点 Lv4 ウォーリア モンク クーナ・レージ 33点 Lv3 メイジ ガンスリンガー jin 130点 22点 152点 2人 ダニエル・I・デフォー 70点 Lv4 シーフ バード リアラ・ミスティーク 60点 Lv4 ウォーリア モンク 夜鷹 60点 84点 144点 1人 アルテ 60点 Lv4 メイジ モンク 葦之葉 234点 266点 500点 3人 アイン・ヨドメス 133点 Lv5 メイジ ダンサー ハイド・アーディル 66点 Lv4 シーフ ガンスリンガー ミラ・ノーザンライト 35点 Lv3 ウォーリア レンジャー プレイヤー プレイヤー成長点 キャラクター人数 割ったもの(端数切捨) 斉藤だぐ 412 2 206 みょん! 385 2 192 葦之葉 500 3 166 リックラック 488 3 162 むー 160 1 160 夜鷹 144 1 144 木立ねこ 565 4 141 初屋 417 3 139 ガン 496 4 124 初人 495 4 123 樹空渡(゚д゚) 438 4 109 jin 152 2 76 おくでら 117 2 58 鴨南蛮 116 2 58
https://w.atwiki.jp/palams/pages/76.html
※初めてのダウンロードの方はこちら 1.Palam辞典のダウンロード こちらのページにある表で、一番上にあるCSVファイルをファイル名をクリックしてダウンロードしてください。 2.ファイル名の変更 必須ではありませんが、1.でダウンロードしたCSVファイルの名称を、"日琶辞典.csv"にしてください。 3.Palam辞典の導入 古いものを削除し、新しいものと交換します。手順は以下の通りです。 ※マージは訳語等の数が減った場合に、古いものが残ってしまいますのでお勧めいたしません。 PDICを起動 File 辞書設定 詳細 既存辞書の追加 「ファイルの種類」で「CSV形式(*.csv)」を選択 先ほどダウンロードした"日琶辞典.csv"を選択 幾つか選択画面が出てきますが、全て「はい」か「OK」を押してください。 ※[マージ][新規作成][キャンセル]の選択は、[新規作成]を押してください。 これで完了です。ご苦労様でした。
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Break Card ダークロア 3F/3C ゴースト/マシン 4/5/5 X:メインフェイズ終了時まで、目標の≪キャラクター1人≫に±0/+X/+Xする。 このエフェクトが効果を発揮した時、このエフェクトのコストをあなたの手札に戻す。 その後、あなたの任意のあなたの手札X枚をあなたの任意の順番であなたのデッキの一番上に置く。 No.1254/1257/PR114 Rarity R/SP Illustrator 桜沢いづみ/水上カオリ Expansion 運命の輪 カード考察 実質コストを使うことなくパンプアップできるエフェクトを持つ。 デッキに戻ってしまうため、すぐに再利用はできないが、使いやすさは中々のもの。 手札の入れ替えができるのもポイントが高い。 レスポンスでエフェクトを無効化されたり、対象を捨て札されてしまうと、コストは捨て札されてしまう点は注意。 足回りが冷遇気味で、やや使いにくい分類なのが欠点。 だったのだが四季の女神の登場でゴーストアイコンもそこそこ強化されている。 他勢力のキャラとの協力で、ふつうに戦えるパンプアップキャラとして活躍できるだろう。
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124 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/24(日) 19 59 40.16 ID oQqVDN2/0 [1/2] もう笑い話みたいなレベルなので晒すけど 今から10年ほど前の初参加コンベでの出来事 システムは当時出たばかりのアリアンロッド無印 どうやら自分以外は何度か参加しててGMとも知り合いっぽかった シナリオの内容はもうおぼろげにしか覚えてないが、 今回予告では確か街で起こってる連続殺人事件の犯人を追え的なシナリオだったと思う GMが「クイックスタートキャラは使わないのでキャラメイクをお願いします」 と言われてややオタオタしながらもキャラメイク セッションがスタートしたんだが… なんていうか、ダイスを一切使わなかったんだよ PCがなんか調査するロールをすると調査結果が出てきて PCがNPCに煮えセリフをいうと状況が進む、みたいな なんかモニョモニョしつつもクライマックスまで行ってさすがに戦闘くらいは…と思ってたら 「シナリオボスがPC1の煮えロールで改心して戦闘回避して終了」 結局その日は一度もダイスを振らなかった… GMとGM以外のPLが「今回のシナリオも面白かったですね」ってにこやかに話してるのを見て クラクラしたのを覚えてる 125 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/24(日) 20 06 12.81 ID PJni7e7a0 なんという正統派な「なりチャでやれ」報告…… 126 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/24(日) 20 13 56.53 ID wmQi2dMb0 コンベで、というのがまた…… 127 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/24(日) 20 15 09.26 ID aEcq9Ux40 これがTRPですか… 128 名前:124[sage] 投稿日:2015/05/24(日) 20 15 35.64 ID oQqVDN2/0 [2/2] なんで急に10年前の話を書いたかって言うと今日TRPGショップに行ったら そのサークルのコンベのチラシが貼ってあったからなんだよ まあ流石に10年も前の話だしもう大丈夫…だとおもう 大丈夫なんじゃないかな 多分大丈夫だと思う スレ415
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SSはここへ。 編集→このページにファイルをアップロード→#ref(画像名) SSは、メニューが消えてしまうのでサイズを半分にして投稿してください。 広場が正月仕様になったよ クリコヒが初コロでもナギナギやらかしたようです 毬藻夫妻 やんのかゴルァ ナギッ ナギナギッ ナギナギナギッソマ×2「なんだあいつら…」サンタ「…ナギの団体さんですか」ルコ「にゃー」 アトラクションのお姉さんとマスコットとお客さん マツノキさんが他ギルドの集会に殴りこみ モドだよ~ 魔法少女…? 眠兎さんマジかわいい ほむほむちゃんが可愛すぎて幸せ ピンコちゃんマジ天使 イリシアさんマジ天使 喫茶エルテイルの店員4人娘+オーナー 信号!(あまり意味はない 武士A「必殺!千槍千撃ッ!」 武士B.C.D.E「ぐわああああああ!!」 槍トラップが縦に沸いてたんで撮ったらこうなった(・ω・) 誕生日はたいせつ! スカート穿き忘れ……
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《圧縮ダウンロード》 装備魔法 手札からモンスターを1体特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールド上に表側表示 で存在する限り、装備モンスターの効果は無効になり攻撃力・守備力が1000ポイントダウンする。 part14-758 名前 コメント
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RLcraftのダウンロード方法について -①Twitchでのダウンロード 一番簡単で最も最新のダウンロード方法です。
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今回予告 「春の嵐」 祭りの終わりが来る。 春節舞闘祭最終日の仮設都市全開放のバトルロイヤルが行われる。 だがその騒ぎに混ざり『神の火』そしてマスカレイドが動き出す。 共和国の、そしてこの祭りが迎える結末とは? アリアンロッドジェネシス第十話、鬼刻春嵐編最終回 「春の嵐」 ――そして受け継がれるもの 登場NPC 共和国勢力 チュート・リー・アル 共和国首都ベテルギウス太守兼共和国の執政官 現在は負傷中のため利き腕が封じられている。 レイン・フォール 一行に同行した新入り政務官。 魔族なのだが虚弱体質で頻繁に吐血している。 スノウに偏執的な愛情を抱いている。 騎士マイケル 紆余曲折を経て共和国の騎士へと上り詰めたラッキーボーイ 暴走するダインを粛清すべく戦いを挑むが敗北。 その後、アイアンマスクの手によりオスカルを殺害させられた後、彼女が持つ「魔王の騎士」の騎士特権によって葬られる。 ダイン・フレアライト 十字会の謀略によりアレスに倒され死亡したダイン・フレアライトの肉体をドクターヴァンキンが甦らせたものにイクスがコスモスのアカシックレコードから復元したダインの魂を追記した者。 つまりはダインの肉体と魂と「帝国へと行かなかったダイン」の記憶と肉体に刻まれたダイン本来の記憶を持つ人間。 雪辱を雪ぐべくアレスを探し彷徨うが、一行と遭遇した際にアルティナへ「本来の記憶」が反応し心が疼く。その疼きを沈める為一行へと襲いかかる。 闘いの中、肉体の持つ「本来の記憶」に引っ張られる形でダイン・フレアライト本来の在り方を取り戻すと共に老化の兆候見せる。 最後は本来の彼を取り戻し、アルティナと父子として家督を掛け勝負し敗北。立派になった娘の姿に目を細めながら雨に濡れた地面に大の字に倒れた。 その後アイアンマスクが語った神の火の陰謀を語り共和国の未来を一行に託すとともにアルティナへフレアライト家伝来の聖剣「フレアブランド」を継承させる。 そして襲いかかるイクスへと戦いを挑み、微笑みと共に騎士として死を迎える。 ネスガル かつて共和国領シリウスの丘陵地帯に生息していた竜族の王。 雷を繰り雷霆の化身と呼ばれ恐れられていたがダインと決闘し敗北。彼の騎竜となる。 ダイン失踪からすっかりと老け込み二年前に老衰で死去した。 だが、若返ったダインの力により黒雲の中より呼び出される。 自由都市同盟 フーズル・バルバリア 赤髭の海賊王。 バトルロイヤルの最中起きた異変からトムソンの陰謀にいち早く気づきその阻止に向かうが街を庇った結果、一味諸共戦線から追放されてしまう。 ウルグ・ヴァーシャ 赤髭海賊団副団長。 フーズル諸共戦線から追放されてしまう。 オルチ・ドーリア 赤髭海賊団参謀。 まさかのいいところゼロのまま戦線追放。 オスカル・アスクレピオス 雄♂狩 美少年趣味を持つラスアルハゲ執政官。スノウを☆ロック♂オン★している。 だが町の異常を察した際には以外にも真面目に避難を促した。 混乱の中アイアンマスクによって間接的に殺害される。 共和国へと戦禍を齎すために。 アルフレート・アスクレピオス ラスアルハゲ太守。オスカルの実父。 オスカルが殺害されたことに激昂した。 テジャド ポステリオル太守にして自由都市同盟盟主。 オスカルの死体をフーズルと共に発見する。 ウサ耳マッチョのナイスミドル。 帝国勢力 ベニー 帝国の政務官。 と言うかアレスのお目付け役。 世界大戦を目論む神の火に狙われるが一行により助けられる。 アレス“ヴァーミリオン” 帝国第三皇子にして帝国幹部第4位の猛者。 不治の業火を繰る。 バトルロイヤルの最中で異変を動物的な感性で察するがベニーとはぐれてしまい街中で昼寝していた。(嵐の中) ユーピテル“ビッグダディ” 冒頭にて帰宅。 聖堂十字会勢力 枢機卿ダッシュウッド 亜人根絶の為に今回の事件を目論んだ枢機卿。 しかし彼らの真の目的の為に神の火に命を狙われた後ジェイクに諭される。 監視者 ルーシアの監視者。 十字会の計画の為にトムソンを護衛する。 神の火 トムソン 前回の敗北のあと十字会を脱退し神の火の構成員となる。 その目的は自由都市内で十字会の枢機卿であるダッシュウッドを殺害する事。 マグガフィン イクス 記憶を取り戻したダインと一行の前に現れ、マスカレイドを撃破した褒賞としてスノウの人格交代を改良する。 その後、十字会の目的を語った後一行の前に立ちはだかるもダインの意気をくみ取り彼と交戦する。 アイアンマスク 共和国に戦火を齎すために暗躍する。 その正体は魔王の騎士レイン・フォール。 マイケルを操りオスカルを殺害させることに成功する。 その他 ジェイク 十字会の陰謀阻止のためダッシュウッドに立ちはだかる。 一行に十字会がなぜ亜人を排斥するのかをかたった。 屍群縦示 ジェイクと同行。 激昂した彼を止めると共に十字会の襲撃を絶技でもって始末する。 オープニング かつて共和国・シリウス近郊の丘陵地帯には雷神が潜むと言われていた。 晴れた日にも雷と共に姿を現し、その爪は鋼鉄をも切り裂き、その牙はどんな勇士であろうとも打ち砕いてきた。 その黒き雷霆の化身を前に人類は無力であり、ただただ蹂躙されるのみであり、やがてその丘陵地帯は交通の要害であるにもかかわらず立ち入り禁止区域となりその黒竜の王国となった。 だが彼の天下はすぐ終わった。 雷神ネスガル、そう呼ばれ恐れられた黒竜はただ一人の騎士の前に屈したのだった。 騎士の名はダイン・フレアライト。共和国の勇者フレアライト家の若き当主であり共和国最強との呼び名も高い男だった。 その後ネスガルはダインの高潔な心に感服し、以後彼に付き従うこととなった。 ここに一つの主従、いや運命共同体が生まれた。 2年前、アルティナは母エレナと共に竜舎にいた。ダインの騎竜ネスガルが今まさに今わの際を迎えていたのである。 ダインが突然の失踪を迎えてはや数年、ネスガルはすっかりその生命力にハリを無くし老け込んでしまったのだ。そして数日前から流行病に侵され病床に伏している。 見守るアルティナにすっかり丸くなったネスガルは穏やかに語った。 ダインと言う男の人となりを、彼と駆け抜けた冒険と戦いの日々を、そして 「まぁ、概ね満足な生でありましたよ」 そう残すとネスガルは静かに息を引き取った。かつて雷神と恐れられた凶竜とは思えぬほど安らかな死に顔であった。 数日後、彼の遺体はフレアライト家代々の墓のすぐ隣に埋葬された。 弔いを終えて、母子二人で墓のそばで佇んでいるとエレナが小さく微笑んだ。アルティナが今まで見たこともないような、悲しさと寂しさが入り混じった複雑な表情だった。 「こんな日にも、あの人はどこで何をやっているのでしょうね」 砕けた空の下、アルティナは一つの時代の終わりを感じた。 その日、ソプデト村で一人の流れ者が息を引き取ったことをその時はまだ誰も知らなかった。 春節舞闘祭第二競技も共和国が勝利したことにより共和国の優勝が決定した。 その晩もオルフェンは酒場で多いに盛り上がっていた。 祭りの間、酒場に通う間にすっかり親しくなった酒場の仲間たちから大いに祝われていたのである。 尤もその彼の酒場通いを「緊張感の無い」と宿舎ではアルティナがブチキレ倒しているのだがそんなものも彼にはどこ吹く風。 その晩も彼は夜遅くまで酒場で楽しみ帰路に就いた。 夜道を歩いていると向こうから一人の小柄な男が重々しい足跡を響かせながらやってきた。 帝国幹部・エイトプラネッツの序列5位、世界最重の男ユーピテル”ビッグダディ”であった。 闇の中ユーピテルはその奈落の様な瞳でオルフェンを射抜いた。だがオルフェンは身じろぎせずに正面からそれを受け止めた。 奇妙なことにユーピテルは泰然としたオルフェンの様子にひどく落胆したようだった。 「なんだ。お前俺様を覚えてないのか?」 ユーピテルがオルフェンの故郷ハウメア村を滅ぼしたことの記憶をオルフェンは失っている。ダイン亡き今、共和国でもそれを知っているのはメルテスだけである。 オルフェンがユーピテルの記憶をなくしていると知ると「ストレスを与えすぎた」と溜息をつき「まあふたを開けるのも楽しみの一つ」とだけ残してユーピテルは去って行った。 血の過去を共有する二人の対峙とは思えぬ静かな夜だった。 …… ………ユーピテル“ビッグダディ”、国際交流の場をバックレる程の猛者!! マスターシーン 同じ夜の下、監視者と大司教トムソンが陰謀を巡らすべく密会していた。 「――ではやはりルーメリア・F・ヘイシスは裏切ったと」 「うむ。ブラックウッド卿の危惧の通りだ。あ奴の魂は穢れた血を選んだようだ」 トムソンの苦虫をかみつぶしたような表情に監視者は噴き出した 「だから言ったでしょ?あんな厄介な奴はとっとと始末した方がいいって」 カラカラと笑い声あげる監視者にトムソンは舌打ち交じりに答えた 「そうはいくまい。結果が異なればあ奴も……」言いかけてハッとなり口を噤んだ。例え大司教であっても口に出すのは許されぬ事もある。 「だがどちらにせよこれでは例の計画通りに……」 「ええ承知しました。ミスタートムソン。あなたは数週間前に十字会を離脱しており縁もゆかりもない人物です。最早あなたが辻斬りを犯そうがテロろうが十字会とは一切関係ないものです」 その言葉にトムソンは歪んだ笑顔を張り付かせたまま小さく「うむ」とだけ答えた。 「では私はルーシアちゃんの裏切りも含め事の報告の為にアウストラリスに帰還します。あなたに神のご加護があらんことを」 その言葉を最後にその場から一人分の気配が消えた。 残されたトムソンは目をつぶり空を仰ぐと、カッと目を見開き夜空に吠えた。 咆哮と共に立ち込める暗雲が星明りを覆い隠し始め、いつしか辺りには雨が降り始めていた。 ミドル 爽やかな朝、スノウは目覚めた。 心地よい朝日と小鳥のさえずりと、……粘つくような視線で。 ハッと飛び起きるとカーテンに微かな隙間が開かれていた。恐る恐る覗き込み …………目が合ってしまった。 窓の外には雄♂狩☆アスクレピオスがトカゲのように張り付いており、唇を舌で湿らせながら潤んだ瞳から熱い視線を室内へと差し向け覗き込んでいた。 背筋に悪寒が走るのを感じながらスノウは妙な悲鳴を上げ、カーテンを大急ぎで閉じた。 だが、リビドーの混じった視線は未だに感じられた。 恐る恐る振り返ると戸が薄く開かれ隙間から頬を染め恍惚とした表情を浮かべたレインが片手の指をしゃぶりながら覗き込んでいた。残る片手は股間のあたりにあった。 ……また、目が合ってしまった。今度は声も上げられなかった。 スノウの視線に気づいたレインは平然と穏やかな笑顔で「おはよう」とだけ朝の挨拶を残すと戸を閉め去って行った。 ――人の迷惑を省みない変態は、強い。 その後、朝食を済ませた後一行はオスカルより最終日の競技についての説明を受けた。 ……ユーピテルがバックれたことも。 最終日は仮設都市全てを開放したバトルロイヤルであり、都市の何処かに隠された宝石を見つけることが目的であるという。 自由に都市を探索できるということは即ちダインが凶行に走る前に彼を止めることが出来るかもしれないということでもある。 競技内容が幸いした一行は闘いに挑んだ。 途中で一行はある騎士の一団とすれ違った。どれもみな共和国の騎士であり、先頭に立つ男はアルティナへと並々ならぬ対抗心を燃やしていた。 「ミスターアスクレピオスからの説明にもあった通り、この競技では当日参加が認められている。ゆえに私も参加することにしたのだよ。君たちの宿命のライバルたる私もな!!」 お調子者のラッキーボーイ、騎士マイケルである。 ――誰? それが一行の素直な感想であった。 どうにも妙に気が抜けた空気の中、祭りを締めくくる大乱闘が始まった。 まず一行は広場に行きそこでフリーマーケットにて宝石の情報を握る人物がいるという情報を得た。 また一行は一般参加者枠の宿舎で、一般参加者に偽装した僧兵院のエージェントたちがダイン・フレアライトによって鏖殺され、彼によって成り変わられていることを突き止めた。間違いなくダインはこの町にいる。そしてアレスへの復讐の機会を今か今かと狙っているのである。 不安になった一行は帝国宿舎を訪れるとそこで呑気に昼寝をしているアレスと出会った。安穏としていながらも尋常ではない鬼気をまとうこの少年ならばあのダインにも勝てるかもしれない。だがその場合はダインの名誉と聖剣フレアブランドが永遠に失われるだけでなく帝国と共和国の戦争の火種になるだろう。それだけは何に変えても避けなければならない。一行は決意を新たにその場を立ち去った。 別れ際に一行はアレスより同行したベニーと逸れてしまったので見つけたら教えてるように頼まれた。 マスターシーン 一行がアレスと出会っている頃、街の片隅では一つの闘いが始まろうとしていた。 一人の男をずらりと取り囲む共和国の騎士たち、一見するとリンチのようだがそうではない。騎士たちはその表情に強い緊張感をへばりつかせていた。 問題は取り囲んでいる男である。服装は偽装しているがその顔を隠すフードは取り払われていた。 男は一見するとその場には似つかわしくない穏やかな笑顔を浮かべていた。だが相対する騎士たちはそれが愛想ではなく威嚇であることを感じずにはいられなかった。 ただでさえ数々の伝説に彩られた男、ダイン・フレアライトと相対するのである。取り囲む騎士たちは恐怖で逃げ出さぬよう自分を抑えるのに必死であった。 そんな中、騎士マイケルだけが軽薄な笑みでダインをねめつけた。 「ダイン・フレアライト奴らにとって貴様の存在は爆弾だ。なんせ実質リーダー核のアルティナの実父があのテロリスト鬼剣だったのだからな、この事実を公にすれば奴らは吹っ飛びこの俺が奴らの地位を手に入れることも可能だろう」 「だがそうはしない」そういうとこの男には似つかわしくない真面目な面持ちとなった 「奴らが奴ら自身の手で転ぶのではダメなのだ。奴らはこの俺によってのみ倒されるべきなのだ。この宿命のライバルたる騎士マイケルの手によってのみな!!」 マイケルは騎士らしく高らかに言い放った。誰だコイツ新キャラか? 「ダイン・フレアライト。軍法に照らし合わせ貴様を粛正する」 「面白い」それを受けてダインは静かに笑った「だが」 「だいぶ足りないな」 ひどく穏やかな笑顔だった。 ミドル 一行は情報通りに広場へと訪れた。広場ではフリーマーケットが開催されており人でごった返していた。ゆえに非常に人と逸れやすく、もし逸れてしまえば合流には多大な時間を要するであろう。 何としても迷子が出ることだけは避けなければならない。 そこでルーシアはスノウが逸れぬよう彼の手を引こうとして…… 人混みに流されてゆくスノウを見送った……。 共和国最高のウィザード、スノウドロップ、迷子へ そしてしばらくして…… その事実に気づきオルフェンは肩をすくめた。 やれやれ 困ったやつらめ そういわんばかりの仕草である。 まったく 俺以外全員がそろいもそろって迷子になりやがって…… 仕方がない迷子の連中を探してやるか…… …………鋼鉄の男オルフェン・ヴァール、迷子へ 結局全員そろって次なる情報を得たのは到着してしばらくたってからだった。 もっともも情報自体はルーシアの交渉術によってあっさり手に入れることができたのだが。 気が付くと朝からあいにくの空模様は次第にその雨足を強め始めた。 最終日ということもあり次第に町から避難人々の姿も見え始めた。 ――嵐が、近い マスターシーン 雨の中、高所より街を見下ろしほくそ笑む人影一つ。そしてそれに肉迫する人影一つ。 元十字会の大司教トムソンと赤髭の海賊王フーズルである。 この悪天候がトムソンの手によるものである事、そして彼らが何らかの陰謀を企んでいることを掴んだのだ。 トムソンを倒すべく襲い掛かるフーズルは当初彼を圧倒していたが街への攻撃から町を守るために足を止めてしまいその隙に立っていた場所を攻撃されてしまった。 しかも運悪くその場に駆けつけた赤髭海賊団も加わったことにより足場は崩壊。 一団を乗せた部位はそのまま麓へと滑落していった。 彼方へと消える赤髭海賊団を見送りながらトムソンは天へと手を翳した。 豪雨いつしか雷伴う嵐となっていた。 ミドル(実質クライマックス) 天候はすっかり大荒れ、雷雲立ち込める嵐となっていた。 情報通り広場へとやってきた一行を迎えたのはダインによって完膚なきまでに叩きのめされたマイケルたちだった。 彼らからダインが闘技場へ向かったことを聞いた一行はダインを止めるべく嵐の闘技場へと足を踏み入れた。 嵐の中、佇む男一人。 共和国最強の勇者、ダイン・フレアライトの全盛期の姿であった。 風雨の中、父と娘は対峙した。 アルティナは彼の行為の意味と共和国の危機を語ったが彼は聞く耳を持たなかった。 闘いが始まった。 いきなりダインは雷雲よりネスガルを召喚した。死んだはずのネスガルである。 ネスガルはすぐに事情を察するが、それでも自分たちは今を生きる者たちの「超えるべき壁」であるとアルティナ達を激励した。 ネスガルに騎乗し天駆けるダインの突撃は壮絶な破壊力であった。それはキリコの雲耀の太刀も、ゴライアスの攻撃も、スカーフェイスのスカーフェイスをも超える威力であった。 だがしかし、アルティナはそれを受け止めた。 正面から受け止めて見せた。 『大丈夫だ、あなたたちの刻んだ轍を私たちはちゃんと踏襲してゆける。だから……』 そう語るように。 闘いの中、ダインはまるで本来の姿に戻るように徐々に老化の兆候を見せた。 ゲオルギーやスノウも攻撃を浴びせる中、騎士と騎士の決闘は凄絶を極めながら続いた。 そしてその瞬間は訪れた。 アルティナが渾身の一太刀を放った瞬間、老化したダインの姿がアルティナの記憶と重なったのである。 「上等だ!掛かってこい。アルティナァァ!!」 裂帛の気合いと共に正面から笑って受けて立ったダインのその姿は正しくアルティナの記憶の中の父であった。 その大きな背中にいつも守られていた。 だからその背中に追いつきたかった。 そして 出来ることなら追いつきたかった。 交差する互いの得物 噛み合う鋼が奏でる鋼鉄の旋律は福音にも似て 遠き日に少女が抱いた理想を祝福するように辺りに響き渡った そして現れた光景は 少女が騎士となるまでに歩んできた道程の確かさを証明するようであった。 「見事!!!!」 そう言いながら倒れたダインの表情には満足そうな笑みが浮かんでいた。 ダインを倒した瞬間、彼から光が飛散した。それを浴びた瞬間、皆はダインの記憶を垣間見た。 帝国による度重なる共和国の主権侵害、そしてハウメア村の悲劇、その清算の為に単独で帝国へと旅だったこと、帝国で世話になった孤児院を賭けてアレスとたちあったこと、その前に十字会の罠にかけられたこと。 一行は彼の死の全てを知った。 だがそれは過去の事経緯はどうあれ彼は記憶を取り戻し今も尚健在である。 共に歩んでいこう、一行がそう言い歩み寄ろうとした瞬間、その場にイクスが現れた。 十字会の陰謀と死の商人としての本懐を語る彼を前にダインはその場を引き受けた。 代わりに一行には十字会の野望を阻止するように要請した。 一行はそれを引き受けその場を後にした。 別れ際、彼は笑っていた。 それで一行は理解した。 彼はただ笑っていたのではない。 相対する敵を戦かせるために 背負う仲間を鼓舞するために そして何よりも恐怖に負けぬように己を奮い立たせるために 彼は笑っていたのだ。 マスターシーン 嵐の中、竜騎士と超越者との戦いは続いた。 持ち前の機動力を生かし戦うダインを、イクスは掌から光の奔流を放って迎え撃った。 不可思議な奇術をダインは持ち前の戦術眼とネスガルの機動力で圧倒した。 だが、窮地に追い込まれたイクスは懐から小さな小箱を取り出した。 廃棄文明の遺産ユグドラシルと彼は言うが、それをすぐに握りつぶしてしまった。 すると箱の中より白色の光が迸った。 イクスが光を握るとやがて光は収束し剣の形となった。 ――曰く、聖剣コスモス。 聖剣こそが廃棄文明の真髄でありコスモスはこの世の光そのものだという。 イクスがそれを振るった瞬間―― ――辺り一面は白色に塗りつぶされその場の全ては消失した。 マスターシーン ダインとイクスの戦いが始まったちょうどそのころ。 広場でマイケルたちが倒れているとその場にレインフォールとオスカルが現れた。 オスカルが街から避難するように彼に勧告し手を貸したその時。 不意にオスカルの腹腔を折れた剣が突き破った。刺したのはマイケルだった。 だがマイケルは自分自身でも何をやっているのか信じられない表情だった。まるで己の意思に関係なく肉体を操られたような…… 「あー。たいへーん。マイケルさん大変な事やらかしちゃいましたね」 レインは何時からかマイケルへとかざしていた片手を挙げたまま残る手で口許を覆いながら殊更能天気な声を出した。 かざした手からは目を凝らすと極細の魔力の糸がマイケルの脊髄へと伸びていた。人体を意思を無視して操る絶技マニピュレイトである。そしてマグガフィンのエージェント・アイアンマスクの得意技でもある。 「貴様……何を……」 事態の異変を察したマイケルに睥睨されながらもレインは涼しげな表情で答えた。 「だって仕方ないじゃないですか?イクスに命令されちゃったんですよ『共和国を戦乱のど真ん中に陥れろ』って、上司命令だから逆らえませんよ。そう」 「私だって被害者なんですよ」悪びれもせずに笑うレインにマイケルは吠えた「ふざけるな!!貴様自分が何を言っているのかわかっているのか!?」 「分かってますよ。『マグガフィン』のエージェントとしてごくごく自然な言動だと思いますよ」それを聞いてマイケルの表情が一変した「貴様……マグガフィン、あの忌まわしき死の商人だというのか」 「そうですよ。だからアタシャ別にふざけちゃいねえよ」答えるレインの表情から弛緩したものが消えた「私だってこんなゴミ虫のたまり場に入り込みたくねえよ。いいか誰の為にやってやってると思ってんだ?そもそも「あの人」を覗きてめえら全員皆ひっくるめて総じて無能で無思慮で無価値なゴミなんだよ。それをこっちが骨折って導いてやったんだから殺し合い位おとなしく粛々とはじめろよ」 吐き捨ててレインはマイケルのマニピュレイトを解いた「……何のつもりだ」 訝しがるマイケル「貴様のしたことを俺が公開すれば貴様など……」「ああなんという事なんでしょう」 「この死体が都市同盟の人に見られてしまったらマグガフィンの関与を疑う者はなく、全て共和国の犯行だと思われてしまいますね」「……!!貴様、止めろ」 「消えろゴミ虫。お前の役目はそれで終わる。」そういうとレインは左目の前で手を翻した。するとその左目には煌々と赤黒い紋章が浮かび上がった。縦に開かれた瞳と山羊の角と獣の牙が組み合わさった、何かの胴体にも見える紋章、まぎれもない『魔王(アークエネミー)』の紋章である。 「『魔王』の騎士特権の使用を宣言!」 広場は肉と骨を噛み砕く不快な咀嚼音に包まれた。 少しして広場にはオスカルの死体とレインだけが残った。 広場で一人笑う狂女の声は、雷鳴にかき消された。 ミドル 自由都市をトムソンを探して走っていると一行は神の火のエージェントに追われている帝国の執政官ベニーと出くわした。 彼を救助して一行はアレスと引き合わせると彼から強者の匂いがする場所を教えてもらった。 その場に行くと今度はダッシュウッド卿とジェイクが対峙していた。 亜人への憎悪を語るダッシュウッドの頑なさにジェイクが苛立ちを露わにしていると神の火の工作員が現れ襲いかかって来た。 縦示の奇妙な剣技により襲い掛かる工作員たちは全滅した。 一行はトムソンのいるという場所をジェイクより教えられ現場へと急いだ。 クライマックス 仮設都市を支える上部の土台にて一行はトムソンと対峙した。 亜人全てへの憎悪と十字教への狂信から戦乱を目論む彼の野望を阻止すべく一行は彼に挑んだ。 足手まといもなく全力を発揮するトムソンだったが既にダイン・フレアライトという怪物を退けた一行の相手ではなかった。 落雷を呼ぼうともそれはアルティナとオルフェンに受け止められ、そしてルーシアの支援を怒れるゲオルギーと魔力を暴走させるスノウによって彼は瞬く間に倒された。 斃れた彼を捕えようとするも彼は毒をあおり自殺してしまった。 最後まで不快な男であった。 エンディング 結局、崩壊した仮設都市の中からはダイン、そしてイクスの死体は発見されなかった。 自殺したトムソンに関しては十字会内部で「既に離反していた」という処理が数か月前に済んでおり、頭のおかしいテロリストの凶行という形で処理されることとなった。 釈然としないものを感じながらも一行は本国へと帰還した。 優勝した一行は帰るや否や大いに歓待された。 街道には共和国に優勝をもたらした女王の騎士団を一目見ようと多くの人が詰めかけた。 そんな様子をエレナ・フレアライト自宅から見ていた。 帰還した勇者たちの中にアルティナの姿を見つけたエレナはほっと胸を撫で下ろした。共和国優勝の知らせを聞いても崩れなかった彼女の鉄面皮がその時だけかすかに綻んだ。そんな彼女を見て使用人は彼女に見つからぬように口元を緩ませた。口では厳しく言おうとも彼女も人の親であり、アルティナが愛しいのだ。 なによりフレアライト家では数年前からダインが失踪している。もしここでアルティナにもしものことがあればエレナは独りぼっちになってしまう。 だからエレナは春節舞闘祭終了の知らせを聞いてより毎日、屋敷の門が見える窓の脇で愛する娘の帰りを待っていた。 「ただ今戻りました、母上」 帰宅したアルティナを見てエレナは思わず感嘆の吐息を漏らした。 そこにいたのは心に余裕がなくその奥底に偉大な父と自分を比較して後ろ向きになる卑屈さを飼っていた小娘ではなかった。煩悶を超え一皮剥けた立派な騎士があった。 いつまでも父の背中を追いかけているだけのほんの小娘だと思っていたが、親の知らぬ間に子は育つものだ。 もう彼女は自分が厳しくいさめる必要もない。一人前のフレアライト家当主にふさわしい英傑になったな、と。 そう思いエレナは満足そうに小さくうなずいた。 「おかえりなさい」 その時、ラスアルハゲの方角から突風が吹いた。 嵐の後特有のその生ぬるい南風は父のように強く、夫のように暖かだった。どこかで能天気なバカ親爺が大声で笑っている気さえするような……。 光る風の中、家族は確かにその声を聞いた気がした。 「ただいま」 マスターシーン 「おやじぃー。俺たちいつから土木作業員になったんすかー」 「黙ってろウルグ。しょうがねえだろ今回俺たちマジで役立たずだったんだから。テジャドにどやされてくなけりゃキリキリ働け役立たず」 廃材を撤去しながら情けない声を上げるウルグ・ヴァーシャにフーズル・バルバリアががなり立てた。 トムソンの気象攻撃によって崩壊した仮設都市の後片付けに赤ひげ海賊団は駆り出されていた。 照りつける太陽の中、フーズルは自身のトレードマークであるナポレオン調のコートを着たまま土木作業に順じているため全身汗だくとなっていた。なんて無駄なポリシーだ。 そんな中、別の場所で瓦礫の撤去を行っていた団員が素っ頓狂な声を上げた。一同がその場に集まると瓦礫の下から腹部に剣を突き立てられた一つの遺体が出てきたのである。 急いでオルチ・ドーリアが検分を始めた。 「これは……!?」 死体はオスカルであった。オスカルに刺さっていた剣を改めるとオルチの表情が一変した 「どうしたやはり十字会か」 「まさか帝国のアホどもが!?」 「いや……これは」オルチが嗄れた声で答えた「共和国の物です……ね」 え、とフーズルとウルグが同時に驚愕の声を漏らした。 「……オスカル・アスクレピオスを殺害したのは共和国の手の物です」 next 第三章『戦嵐海域編』
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体育祭準備SS 一ノ瀬 ひめ乃 入学してから、早5ヶ月。 楽しかった夏休みも終わり、イベントが目白押しな2学期に突入した。 わたしも周りのお姉さま方のように高等部に慣れてきたかしら。 ……どうだろう―――。まだ不安が残っている。 リリアンでの2学期で、まず最初のイベントは体育祭だ。 そういう訳で、ちょうど今一年桃組はHRの時間を使って誰がどの競技に出るか話し合っていた ところだった。 わたしの一年桃組は運動部の人もおらず、なかなか話がまとまらずにいた。 それでも少しでも早く帰宅したい、または部活に行きたいなどの理由で早く終わらせたいため、 それぞれ仕方なく楽そうな競技に立候補していく。 このままの調子でいつまでもぽーっとしていると、いかにも残りそうなリレーに出なければいけ なくなってしまうかもしれない。 リレーはバトンタッチが苦手なので絶対に避けたい競技なのだ。 であるからわたしが出来るとは思えない。 これまでわたしは何故だか勝手に自分は足が速い方だと勘違いしていた。 では、なぜそれを勘違いだと気付いたかというと、先日廊下で会った松組の黒崎望さんに、女 子高生の平均タイムを聴いてしまったからだ。 50mの平均が8.9秒……そのときのわたしはサンタクロースが本当はお父様だった、と初め て知ったときのようにショックを受けた。 正直そんなに皆が速いとは思っていなかった。 わたしの中では9秒台なら速い、9秒前半はすごいのだから。 こんなことがあって、自分は足が速いはずだ、という幻想は消えたのだった。 一年生の出られる種目は2人3脚と障害物走で、あとは各学年共通では袴競争と大縄跳び。 多分、これならなんとか……と言う事で、大縄跳びに出場することになった。 頑張って飛び続けることができれば、大縄跳びはそう難しくないだろう。たぶん。 ―――やっぱりこんなことは安易に考えすぎかもしれない。 足が速い方だと思っていた勘違いのように、どんな競技でもそんなに簡単なものじゃないとも思 う。 体育測定の垂直飛びのようにただ飛べばいいってわけでもないし、 クラシックを聴くようにリズムを取るだけでもいけない。 メトロノームの振り子に乗って、飛ばなければいけないようなものなのだ。 それでも今のところは足をひっかけないことだけが心配ではあるけれど。 障害物走もただ走るだけではない、という理由から出ることに決めた。 もしかしたら多少皆より遅くても、障害物を越えるのは得意かもしれない。 なんて理由もやっぱり勘違いかもしれない。 隣の席の志保子さんがそっと耳打ちしてくる。 「ひめ乃さん、障害物走、多分向いてないわよ。あぶないわ……」 わたしは特に危ないとも思わずに志保子さんにこう返した。 「大丈夫よ、志保子さん、わたし自信あるんだから^^」 日ごろのわたしをよく知っている志保子さんは閉口してしまった。 それを見たわたしは、「具合でも悪いんじゃないないですか?一緒に保健室に行きましょう か?」 と言ったが、志保子さんは更にくらくらしつつ、 「いえ、大丈夫ですわ。ただ……あまり無理しないでくださいね……」 とだけ言ってくれた。 やっぱり、行事は楽しまなくちゃ♪と思いつつ、障害物走で大勢のギャラリーの中、 派手に転んだりしたらどうしようかしら、なんて思いもあったりする。 なにしろ何もないところでもいつも転ぶのに、障害物を飛び越えて走るのだから、 確率は更に高くなるわけで。 こう考えるとやっぱりさっきの理由も勘違いだったかな、と強く思ったりもする。 勘違い、と言うよりは楽天的過ぎる、って言った方が正しそうだ。 「得意かもしれない。」という根拠のない自信はまた崩れるかもしれないが、 でも出ないより出た方がきっと楽しい。たぶん。 リリアンでの生活もそう長くはないのだから。 どんな小さなことでも、どんな些細なことでも、 この胸に残しておける思い出はあまさず残しておきたい。 袴競争も、一般部門で二年藤組の葛城かずらさまと一緒に出ることになった。 それにしても袴競争というのはどうやって練習したらいいものだろうか。 かずらさまと一緒に放課後練習すると言うのもいいけれど、 それは迷惑なような気がするので出来ない。それに練習用に使えるような袴もないのだ。 そうは言ってもリリアン高等部で初めての体育祭ということもあり、当然気合も入る。 それよりもまずかずらさまに恥をかかせないようにしないと、という思いもあった。 HR終了後、部活もないのでまっすぐ帰宅しようとしたところ、 廊下でばったり椿組の春菜さんに出会った。春菜さんは今年の体育祭実行委員だ。 お互いごきげんよう。と挨拶を交わし、一緒に下校する事にした。 時期が時期なだけに体育祭の話になる。 「ねぇ、春菜さんはなんの競技に出る事になさったの?」 少しだけ身長の高い春菜さんを見上げながら聞くと春菜さんは、 「ん~、あたしはほとんど出るけど・・・あとは芽衣子さんと一緒に二人三脚に出るよ」 芽衣子さんと二人三脚。うん。と思わず納得してしまった。 春菜さんと芽衣子さんは同じクラスでとても仲がいい。 それから少し雑談して、ごきげんようと挨拶をし、M駅でそれぞれの帰路に別れた。 とりあえず、わたしの走る速さが望さんに教えられた平均タイムに少しでも近づけるように、夕 方走りこみをしようかなと思って、典型的な日本人のような発想で、 学校指定のジャージがあるにも関わらず、SSサイズの薄いピンクの上下のジャージを購入することにした。 SやMは大きいので、探すのに苦労したけれど、それはそれで楽しい。 薄ピンクのジャージを選んだ理由は、なにしろ桃組はピンクチームだから、 やっぱり練習着とは言えピンク色に統一したかったのだ。 形から入ろうとするあたりがいかにも典型的な日本人だなと思って少し自分に笑ってしまった。 出場競技が決まり、自宅の重い扉をあけると妹も母もいない。 妹はバレー部で母はきっとお琴にいっているのだろう。 二人が帰宅してから、体育祭でわたしが出る競技について報告したところ、 母親と妹はなんともひどい事をいってくれた。 第一声はまず母親からだった。 「ひめ乃ちゃんが障害物走なんて、ただ怪我するだけでなんの貢献にもならないわよ? それなのに、ジャージまで買い込んできて、しかも子供服じゃないの?それ。 それくらいならレオタードに上着をきて、バレエのホットパンツでもはけばいいのに。」 続いて妹のゆき乃。反抗期なのだかなんなのだか、いつも手厳しい。 「ひめ乃ちゃん、自分の運動神経わかってるの? 同じ学校なんだからあまりわたしのところにまで噂がくるようなことはやめてよね。」 ……お母様、ゆき乃、あんまりいじめないで下さい。 ……そしてお母様、申し訳ありませんが、そんな痴女みたいな真似はできません。 わたし、仮にもリリアンの生徒なのですよ? 泣きたくなるような言われようだった。 わざわざ学校指定のジャージがあるにも関わらず桃組ファイト~^^というつもりで、薄ピンクの ジャージを購入したというのに……。 リリアンはクラスごとの色別が、李(桜)組が白、菊組が黄色、藤組が紫、桃組がピンク、松組が 緑で、椿組が赤だ。 その色ごとに学年関係なく色で競い合う。 普通は4色くらいのものらしいので、他の学校より色が多いだけの話なのだが、色にこだわりが あるわたしには、来年もまた桃組がいいな。なんて思ったりしてしまう。 子どもっぽい発想だが、本当にそう思うのだから仕方がない。 明日は何もお稽古事がない日だから、さっそく夕方走ってみようと思う。 いろいろと走る道順を決めて、危なくないように、それでいて効率のいい道を探しながら走らな いといけないなあ、と思う。 速くなるといいなぁ。どうか三日坊主になりませんように。 マリア様どうかご加護を。 ついマリア様にお祈りしてしまうのは、もう幼稚舎から変わらない。 でもマリア様もさすがにわたしの運動神経まではどうにもできないかもしれない。 それでもマリア様に祈ってみる。それがわたしだから。 体育祭まであと数日。わたしは体育の時以外履きなれないスニーカーの紐をきゅっと結び、 茜さす道を走る。 この道はどこに続いているのだろう。そんなことを考えながら、 わたしはまっすぐに前に向かって進み続けていった―――。